兵庫県西宮市・夙川駅近くにある動物病院です。

バックナンバー一覧へ

6.猫免疫不全ウイルス(FIV)感染症

更新日時:2018.01.24

06  この病気は世界中のネコでみられ、感染してしまうと、何年もかかって免疫系の障害が起こり、最終的に多くが後天性免疫不全症候群(エイズ)を発症します。発症するまでは無症状なことが多いですが、発症してしまうと様々な障害が起き、命を落としてしまう場合が多いです。

原因
猫免疫不全ウイルスが原因となり、引き起こされる病気です。このウイルスは、感染ネコの唾液中に含まれるため、多くの場合、感染ネコとのケンカによる咬傷によって感染します。感染ネコとの同居、グルーミング、トイレの共有などでは感染は成立しにくいです。

症状
この病気の経過をたどると、
①急性期
 感染1ヵ月後ぐらいで発熱、下痢や全身のリンパ節が腫れてくる症状などが現れます。数週間から数ヵ月続く場合もあれば、無症状な時もあります。
②無症状のキャリアー期
 症状は消失します。期間は一般的には2~4年ですが、長いもので7~10年、時には発症せずに寿命を迎える場合もあります。
③持続性の全身性リンパ節腫脹期(PGL)
 2~4ヵ月間持続し、主にリンパ節腫大を引き起こします。
④エイズ関連症候群期(ARC)
 PGLに加え体重減少、毛並みの悪化、口内炎、上部気道疾患(鼻かぜの様な症状)、発熱などといった症状が現れます。
⑤末期:後天性免疫不全症候群期(AIDS)
 ARCからさらに重度な体重減少、貧血・白血球の減少、免疫力の低下により健康体では起きない感染症(日和見感染)、腫瘍疾患などが現れます。

残念ながら、発症すると(ARC期~AIDS期になると)、生存期間は1年未満である場合が多いです。

検査
血液検査による血球検査・化学検査・FIV抗体検査、その他症状に応じた検査

治療
現在のところ、有効な治療法はありません。口内炎や慢性感染症などの症状が出た場合、抗生物質や抗炎症剤などを用いた対症療法が主体となります。
また、完治はできませんが、インターフェロンを使った治療法もあります。

予防
このウイルスはネコ以外には感染せず、ほとんどの消毒薬に効果があります。ワクチン接種で予防する事ができます。
ネコ同士のケンカによる咬傷から感染する可能性が高いので、室内飼いをおすすめします。また、すでに感染している場合は、ほかの感染ネコを増やさないためにも屋外には出ないようにしましょう。
感染ネコは、ストレスのかからない快適な環境を作ることで、この病気の進行・発症を予防できる可能性があります。また、多頭飼育している場合、感染する可能性はゼロではありませんが、仲が良く、社会的にグループが安定していれば、感染ネコを隔離する必要はないでしょう。

ワクチン接種についてはこちら
腫瘍疾患の診断・治療についてはこちら
犬用の問診票はこちらから 猫用の問診票はこちらから うさぎ・ハムスター用の問診票はこちらから
問診票を記入の上、持参いただけると
スムーズに診察が行えます。
ヒガシアニマルクリニック TEL:0562-93-3891
ヒガシアニマルクリニック

〒662-0063 兵庫県西宮市相生町4-5

TEL: 0798-72- 7055 ナオルゴーゴー