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3.子宮蓄膿症
避妊をしていない女の子のわんちゃんは、長年、女性ホルモンの影響を受け、高齢になってくると子宮内膜の増殖や肥厚が起こります。
そうなってくると子宮内は細菌感染に対する防御能力が低下し、なんらかの要因で外陰部から細菌感染が起こると、細菌の増殖が起きて膿がたまり、
子宮蓄膿症が発症します。
どんな事が起きる?
ほとんどは陰部からの排膿がみられますが、たまに排膿がみられない場合もあります。
元気・食欲の低下、発熱、多飲多尿、嘔吐、下痢などの症状がみられ、細菌感染が重度の場合や治療が遅れた時、細菌の毒素が全身にまわり、
多臓器不全(特に腎不全)などを起こす危険性があります。
また、陰部からの排膿が無い場合は、腹腔内に膿汁が漏れ出す事があり、細菌性腹膜炎を起こす危険性もあります。
検査
血液検査、腹部X線検査、腹部超音波画像診断、その他必要に応じて追加検査
治療
まず第一は、早い段階で手術を行い、卵巣子宮を全摘出します。全身状態が悪くなっている事が多いので、
事前から点滴などの内科治療を行っておくことが大事です。
しかし、すでに多臓器不全などを起こし全身状態がかなり悪い時は手術を断念せざる得ない場合もあり、見込みはかなり厳しいものとなります。
そういった場合は注射にて治療する方法もありますが、手遅れとなったり、一度良くなっても再発する可能性があります。
この病気にならないために、避妊手術をしておくことをおすすめします。
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